/*/【シエラの日記より抜粋】/*/


○楓の月、新月の日


今日は、朝から急がしめの一日でした。

朝。
相部屋のナルの寝相に苦労しつつ起こして、猫士の皆とうがい。
一旦部屋に戻って二度寝しようとするナルを必死で抑えながらメイクをする。
一応これでも年頃であるし、人前に出るにはそれなりに主張したい。

今日は寮の仕事なので、まずは担当の部屋を回る。
このとき、まだ寝てる子を叩き起こすのが密かな楽しみだ。
ギリギリまで寝ようとする子と朝食までに送り出す我々一同のちょっとした攻防戦だ。
今のところ無敗を誇っている私だが、これもナルという手強い味方が居るからだろうか。

一通り回り、まだ寝ている子をたたき出してうがいをさせてたら食堂へ向かわせる。
寮での食事は皆一同に集まり、寮長の「いただきます」の号令で食べるわけだが、ソレまでに間に合わない子は食事抜きである。
この間、目を話した隙にナルが二度寝してしまい朝食を逃した。今後は特に気を付けたい。

毎度の事ながら、食堂の食事はフェルトおbお姉さん達が作っていておいしい。これでは自炊をさぼってしまい、嫁の貰い手がないかも知れない。

※書き直した跡がある

朝食の後は、ナルと今日の予定を確認する。
宮廷に向かうナルを確認してから一日の仕事が始まるのである。

猫士の皆は朝食後にそれぞれの仕事に出かける。
私が担当している部屋の子たちは殆どが警官をやっている為、部屋にもソレらしいものが多い。
たまに、ごみなのか重要なものなのかわからない紙切れなどが落ちていることがあるので、ソレらしいものを気をつけて掃除するのがなかなか難しい。
この間、ナルが掃除したときに重要書類を間違って棄てたらしいが・・・見つかったのだろうか。

掃除をする前にベッドのシーツなどを外にだし、掃除を開始する。
シーツなどの洗濯は寮全体の仕事をしてくれる人がやってくれるので助かる。流石に全部の部屋のシーツを一度に洗濯しないが、それでも重労働だ。
男のお手伝いさんが入ると、大抵その役目を負うことになる。今日はミッシェル君だった。ほそっこいのに大丈夫かしら。
そうやってシーツを交換したり掃除したりが終わる頃には大抵昼前になっている。11時から13時までは休憩時間だ。
上手いことやればその分休憩時間は増えるが、何分五部屋の掃除を終わらせるのはなかなかに厳しい。
今日は早めに終わったので宮廷のほうに足を伸ばしてみる。
丁度、ナルが植木の手入れをしていた。妙に独創的だけど、アレは蛇だったのかしら。寝る前に聞きそびれたので明日聞こうと思う。
この部分を書いてる時点でナルはもう日記書いて寝ちゃってるし。

えーと。昼。
昼食は12時。この時間は皆仕事先で食べる為、基本私たちだけの時間だ。
ただ、休みに外出許可を取らずに一日ゴロゴロする子もいるんでその子たちも一緒に食べる。
今日は好物の麻婆豆腐だった。藩王じゃないけど、辛いのは好物だ。

昼からは洗濯をする。
洗濯機はあるが、使う量が量なので、タイミングを逃すと川に洗いにいくはめになる。
で、態々書くからには今日はタイミングを逃したわけだ。昼食に満足してゴロゴロしすぎた。不覚だった。
いつもは朝の掃除が終わりきらずに昼もやってる子がいるんで油断していたわ……帰りに川の近くのおばちゃんがおやつのスコーン分けてくれたから良いけど。ジャムがおいしかった。

昼の間は結構のんびりしてる。
洗濯が終わればあとは繕い物や、朝に洗ったシーツを取り込んだりしながら、結構まったりできる。
忙しいのはたまに買出し当番になるときくらいで、これだけでもお手伝いに応募した甲斐があったと良く思う。
世の主婦達もこんな感じなのかしら。もっと忙しいか。

そんなこんなで夜。

夕食の時間は、寮側の仕事の皆と、定時で帰れる公務員系の子たちと、遅れて帰ってくる子達のために二回ある。

もちろん、寮長はどっちにもでて「いただきます」の号令をかける。
今日、流石に量は少ないが、毎回皆と一緒に食べてるときいてすごいと思った。
仕事の都合上、深夜に帰ってくる子もいるが、そういう子にも別にちゃんとさめても食べれるおかずや、職場に夕食を詰めたお弁当を持って言ってあげるあたり、フェルトおねえさんも侮れない。
ああいうのをマスターするのが花嫁修業なのかしら。

えーと、なんだっけ。とりあえず、書きたいことは書いたので今日の日記はおしまい。


○×○号室 シエラ



【寮長の添削】

シエラ。貴女の日記は大変判りやすくてよいのですが、貴女も女の子なのですから。その、言葉遣いというか、文体をもうちょっと気をつけましょうね。
あと、貴女は良いお嫁さんになるわ。大丈夫。



/*/【ある猫士の日記より抜粋】/*/


きもちいいあさです。
寮のおねえさんたちが起こしにきてくれるので、いっしょに顔をあらってうがいをします。




顔をあらってうがいをしたらごはんを食べにいきます。



ごはんは毎日とってもおいしいです。作ってくれるおbおねえさんはすごいと思います。

※書き直した跡がある

ごはんを食べたらおしごとに行きます。
ちいさい子たちはおっきなおにーちゃんおねーちゃんがみてくれます。
さいきんは交番でおてつだいをしていますが、おにーさんのひとりがしょるいをなくしたー! とおおあわてでした。

おてつだいがおわったら寮にかえってきてお昼ごはんです。
とちゅうのお庭できれいなおねえさんがおっきなはさみを持っておしごとしてました。
木でいろんなげーじゅつをつくっているのですごいとおもいます。

お昼を食べたらおべんきょうです。
この日はおにーさんといっしょでした。



おべんきょうのあとでおにーさんが手品を見せてくれました。かくしげい、というらしいです。
そしたらろうかにおいてあったかびんがこわれておっきな音をたてました。
どうしよう、とおにーさんを見たらもうどこにもいませんでした。
そしたらおかーさんがきたのでここであったことをはなしました。
そしたらおかーさんがおこってどこかに行きました。とおくでおにーさんのひめいがきこえた気がしました。
わるいことをしたらすなおにあやまろうと思いました。




【寮長の添削】

大変いい心がけです。悪い事をちゃんと謝れるのはえらいですよ。
お兄さんの方も小さい子を置いて逃げるなど言語道断ですのでこってり絞っておきました。




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